momomon

個人メモ

ホスト×ウェイター②

――――――

「っ、い、篤(あつし)さん…止めて下さい…っ」

まるで弱りきった子猫が鳴くような、か細く震える声。
それでも、明かりが落ちて誰も居なくなったホールには、驚く程反響した。
俺は先程まで接客をしていたソファーの上で、横たわる伊央(いお)の下腹部に顔を埋める。
丁度、ウエストを絞めるベルトの辺り。
鼻から思い切り息を吸い込めば、伊央の石鹸の様な匂いが俺の欲求を刺激する。
俺は自分のネクタイを緩めて、上着をテーブルの上に脱ぎ捨てた。

「なぁ、伊央、早く犯したい…」
「や、です…っ」
「嫌じゃない」

身を守る様に丸まる伊央の腕を掴んで、無理矢理身体を開く。
薄暗い中に見える伊央の泣きそうな顔。怯えた顔。
身体、震えてる。
毎日の事なのに、まだ慣れないんだ。
そりゃ怖いよな。
可哀想な伊央。
可哀想

カワイイ。

「伊央、伊央、伊央っ」

仕事柄、周りには積極的な奴ばかりで、伊央の大人しさは新鮮だったのかもしれない。
もしくは、最初から伊央の様な奴が好きなタイプだったのかもしれない。
理由は分からない、けど、伊央は、俺を酷く惑わせた。