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個人メモ

ボツのブログ記事

ボツ(ムラゴンブログ全体)
  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現⑨

    (そう言えば、最近リスカとかしてないな)風呂で体を洗っている最中にふと自分の腕が目に入り、すっかりとかさぶたが無くなってみみず腫の様になった複数の傷跡を見ながら思う。そう考えたら、今すぐリスカしなければ、と、強迫観念に駆られる事も無く。むしろ、あの行為は一体何の為にやっていたのだろうかと、分からな... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現⑧

    「死神様にもそんな思考回路があるんだな」「本来なら持ち合わせている筈のない物だが、俺は他の死神と比べて色々と劣っているから、あってはいけない余計な思考を備えている事がある」俺の微笑混じりの嫌味を死神は気に介す事もなく、ご丁寧に説明してくださった。他の奴には無い物を自分は持っているって、優秀な事なの... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現⑦

      願い事を言わないと離れないと宣言した通り、死神はずっと俺の側にいた。たまにどこかに出掛けるのか、姿が見えない時もある。しかし気付けばいつの間にか後ろに立っていて心臓が止まりそうになった、なんて事も多かった。飯も食わないし風呂やトイレにも行かないし風呂にも入らないし、買い物をする事も無いから、生... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現⑥

      なんて理不尽な。こっちの都合はお構い無しなのか。その後、怒鳴り散らしてみたり玄関から外に放り投げてみたりしたけれど、死神はどこからともなくまた俺の部屋に戻って来た。そんないたちごっこを繰り返しているうちに眠ってしまったのだが、目を覚ましてもやはり、そいつはそこに居た。「頭いたい…」「願い事は決... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現⑤

    「お前は愛されている。だから死ぬ前にお前の願いをひとつ叶えてやろう。代価はその命だ」自分を死神だと言う彼は、さもそれが常識だと言わんばかりに意味不明な説明を繰り返す。俺は濡れた体にタオルを巻いて、飛び込む様にしてベッドに倒れ込んだ。「…俺が誰に愛されてるって?」「お前達の言葉で言うと、神だ」「俺が... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現④

     「…うっ…う…」酷い頭痛に急かされ目を覚ますと、辺りは真っ暗だった。地獄に来たのかと一瞬思ったが、よくよく目を凝らせば、自宅の風呂場であった。どうやらあのまま気を失い、夜になってしまったらしい。冷水のシャワーにずっと当てられていた体が、酷く冷たい。先程まで血を垂れ流していた腕の傷は、もう血液の流... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現③

    流水音と共に、腕の傷から流れ続ける鮮やかな赤。どれくらいこうしているのか。ぼうっとした頭では分からない。(血って、何リットル出たら、死ぬんだろう)あの事件の後、両親は俺をすぐに家から追い出した。高校も辞めて、用意されていたのは実家から遠く離れた寂れたアパートの一室。俺の口座には、両親か毎月毎月事務... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現②

    元々両親とはそれほど仲が良く無かったから、家族を捨てるのにそれほど躊躇は無かった。リュックに必要最低限の荷物を詰め、ありったけの金と通帳を持って家を飛び出した。これからは彼と二人きりで生きていこう。俺達なら大丈夫。焦る身体。切れる息。彼のアパートの前。玄関の扉は開いていて、全く不用心なんだからと小... 続きをみる

  • 死神×自暴自棄 リスカ・流血表現①

    一世一代の恋だと、思った。相手は十歳年上のサラリーマン。俺はまだ高校二年生の餓鬼だったけれど、俺はこの人と添い遂げるのだと、妙な確信があった。性別や年の差なんて関係ない。俺達にはそれを乗り越えられるだけの愛がある。例えばこの地球の全てが敵になってしまっても、この人が居てくれるのならば、俺はきっと海... 続きをみる

  • 先祖返り×幼なじみ ⑥

    ━━━━━━━━━━埜重さんがどうやってあの稔示様をあそこまで手懐け、否、親しくなったのか、経緯は不明だ。気付いたら仲良くなっていた、と、使用人皆が口を揃える。一応埜重さんと稔示様は幼なじみという事になっているらしいが、噂によれば、埜重さんの母君が稔示様のお父様をたぶらかし、関係を持った際に出来た... 続きをみる

  • 先祖返り×幼なじみ ⑤

    一時の後、ようやく気が済んだのか、稔示様は埜重さんを抱き締めたまま彼の肩元に顔を伏せた。先程の怒号とはまるで別人の様な艶っぽい声が、埜重さんの耳元でひっそりと囁かれる。「埜重、早く脱げ…」「ん…分かったから、ちょっと待って、後で」稔示様の手は鴬色の着物の上を滑り、今にも埜重さんの体からそれを剥ぎ取... 続きをみる

  • 先祖返り×幼なじみ ④

    使用人の中でも上位に君臨する老女が、俺に向かってヒステリー気味に叫んだ。はいはいと心の中で返事をしながら稔示様の近くに歩み寄るが、稔示様が退いてくれる気配が全く無くてかなりやりづらい。埃が立ったら立ったでお局さん達に怒鳴られるのだろうし。俺は周りにバレない様に溜め息を吐くと、とりあえず稔示様から離... 続きをみる

  • 先祖返り×幼なじみ ③

    この一族は、代々から商売でも家系でもとにかく繁栄を続けて来た。会社を興せば、数年で誰もが名前を知るような大企業になり、子供が出来れば頭脳明晰運動神経抜群容姿端麗。まるで神から一心に愛されているかの様な血筋。一族にとってその神とは、他の誰でもない“稔示様”だ。選択を求められた時、彼が示した方を選べば... 続きをみる

  • 先祖返り×幼なじみ ②

    (さっきの音は、稔示(ねんじ)様の仕事部屋からかな。嫌だな、俺、今日あの部屋の掃除当番なのに)俺はふぅっと溜め息を吐くと、近くにあった掃除棚から箒と塵取りを持ち出した。先程俺の目の前を足早に去っていた使用人達の後を追うように、ノロノロと足を進める。こんなに部屋数が必要なのかと思いながら、迷路の様な... 続きをみる

  • 先祖返り×幼なじみ ①

    三百六十度を緑で囲まれた、どこにでもある様な山。車が危なかしくすれ違える程度の道路は通っているものの、何時間経ってもそこを行き来する人間の姿は確認出来ない。それもそのはずで、この山の一帯は、ある一族の所有物であり、外部の者は立ち入りを禁止されていた。そんな、外の世界から切り離されたこの山中にも、探... 続きをみる

  • 記憶喪失ネタ①

    「これをそっちに……」「大丈夫……」………あぁもう、枕元でドタバタ五月蝿いな。安眠を阻害する物音が気になって、まだ寝ていたいと主張する瞼をゆっくりと抉じ開ける。何故か俺のベッドの横に座っていた母親が、これまた何故か俺と視線が合った瞬間に驚いた様な顔をして泣き出してしまった。いきなり何事だと、慌てて... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ⑧

       「こんにちは。この靴の持ち主を探しているのですけど」これは、夢でしょうか。うとうとしながら仕事に行く準備をしていた時に来客があって、はいはいどちら様ですかと扉を開けて見れば、あの神々しいオーラを背負った王子様が立っているなんてそんなまさか。王子様の後ろに屈強なボディーガード達がずらりと並んで... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ⑦

    「うっ、わ…!!!」俺は思わず、力の限り王子様の体を突飛ばす。その衝撃で、王子様がベンチから地面へと倒れてしまった。俺は、全身から血の気が引いていくのを感じていた。えっ、これって暴行罪…?暴行罪になるの?だって突然キスされたから、だって、正当防衛でしょこれ…!俺は顔を赤くしたり青くしたり、この場合... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ⑥

    俺はベンチに座り直し、乱れた髪やドレスを急いで整える。幸いにも、胸に詰めた綿の塊は崩れる事なく形を保っていてくれていたが、カツラの方は鏡が無い事には確認出来ない。今が夜で、辺りにはランプが灯ってはいるが、庭の隅にあるこの場所は薄暗いのが幸いか。王子様の方に背を向け、顔を見られない様に俯く。「あ…あ... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ⑤

     熱気の籠るホールを抜け、冷たい外気に頬を撫でられれば、一瞬で体の力が抜けてしまった。俺は庭の隅にちょこんと置かれたガーデンチェアを見つけ、よろよろと倒れ込む。ドレスが汚れるでしょうがと義母と義姉に怒られそうだが知ったこっちゃない。庭は隅から隅まで手入れされていて、名前は分からないがどこからともな... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ④

     写真か、パレードなどの時に遠目にしか見たことが無かったせいで一瞬誰だか分からなかったが、彼が俺の様な庶民とは別次元に住む人間なのだということはすぐに分かった。俺はもう会わずに帰るつもりでいたので、気の抜けていたところを突かれ動揺を隠しきれない。「うが…あ…こ、こんにちは…。この度はご招待いただき... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ③

      (う…っ、死んでしまいたい…)まさか齢十八にして女物のドレスと靴を身に付ける事になろうとは。化粧は顔に何か貼り付いてるみたいで気持ち悪いし、ウィッグも何だか、頭に他人の毛が乗っている様で落ち着かない。自分勝手な義母義姉に無理矢理送り出された俺は、半ばやけくそで舞踏会へとやって来た。実は郵便配達... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ②

    「な、何言ってんだよ!せっかく選ばれたのに!」「わたしは運命の人と出逢ったの!あの人に比べたら王子なんて牛の糞だわ!」「わああああ!何て事言うんだ!!!」つい最近まで、王子をオトしてやるとヤル気満々だった義姉の態度が180度変わったのには理由がある。実は先日、買い物の途中に馬車に轢かれそうになった... 続きをみる

  • 王子×シンデレラ シンデレラパロディ①

    俺の住んでいる国は、小さいながらも自然に恵まれていて、ご近所トラブルはあっても大きな争い事は滅多に起きない様なとても平和な所だった。都会からすれば、この国の時間はとてもゆっくり流れている様に見えるだろう。そんな毎日毎日をのんびりと過ごしている国民達の間に、衝撃が走ったのは数ヶ月前の事。“当国の第一... 続きをみる

  • 吸血鬼×医者(声のみ)②

    威圧感のある巨体のオヤジと酒臭い厚化粧のババァの夫婦。血液の相性が良いからと、小さい頃からその夫婦のババァの方から血液の提供を受けていたのだが、最初からアイツらは頭がおかしかった。俺がババァから血を吸っている場面に出会そうものなら、オヤジは途端に嫉妬の炎を燃やして、俺の首根っこを掴み床に放り投げた... 続きをみる

  • 吸血鬼×医者(声のみ)①

    俺達吸血鬼は、二十歳になるまで他の生き物の血を定期的に摂取しなければ生きていけない。今では、人間達が金と引き換えに血液を提供してくれるものの、昔は今ほどに人間と吸血鬼の仲は良くなく、吸血鬼達は動物の血を啜って飢えをしのいでいた。しかしそれでは賄いきれず、吸血鬼達が人間を襲った事もあったという。今で... 続きをみる